武生商工会議所  
 
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武生まちづくりプランこしの
ー武生市・今立町の合併に向けてー

 

 

平成16年7月22日
  ◆目次
 

1.新市の都市像
 (1)丹南広域圏における新市の位置付け
 (2)新市の目指すべき都市像

2.新庁舎立地地区周辺のまちづくり
 (1)新庁舎の配置に係る基本方針
 (2)新庁舎立地地区周辺の特性
 (3)新庁舎立地地区周辺の基本的な方向づけ
 (4)新庁舎立地地区周辺のまちづくり

3.中心市街地のまちづくり
 (1)中心市街地の特性
 (2)中心市街地の基本的な方向づけ
 (3)中心市街地のまちづくり方針

終わりに

 

 

  ◆1.新市の都市像
 

 武生市と今立町が合併した場合の新市の都市構造は、1市1町の範囲内で考えるのではなく、広い視野を持ちつつ、少なくとも丹南広域圏の中での武生や今立地区の位置づけを考慮しつつ検討される必要がある。

(1)丹南広域圏における新市の位置づけ
    丹南広域圏における新市の位置づけは、概ね次のように要約される。
   (図−1参照)

 

  • 歴史を誇る丹南広域圏
     丹南広域圏は、今から1500年前には、今立から味真野にかけての地に継体天皇が居住していたと伝えられ、古くより発達した地域を形成している。大化の改新以降「越の国」の中心として国府が置かれ、後の越前、加賀、能登、越中、越後までを含む広大な地域の中心であった。その後683年に越前、越中、越後に分けられ、越前の国は能登、加賀も含まれていて北陸の行政、文化、経済の中心であった。このように武生は古い歴史があり、伝統文化が根付いている。
     また、江戸期には本多家の城下町として発展し、現在の市街地の基盤を形成している。
     これからの時代の都市のアイデンティティが都市文化の醸成や都市観光の育成にあることを考えると、丹南広域圏にある、こうした歴史的条件をこれからのまちづくりに最大限活かしていく取り組みが重要である。

 

  • 多様多彩な伝統文化で構成される丹南広域圏
     丹南広域圏は、古くからの輝かしい歴史を誇る地であり、武生、今立を中心にしながら、周辺の各地に多様な産業や歴史文化を持つ地域を形成している。また、古くより漆、和紙、繊維、陶器、鉄等に係る「匠の技」を用いた産業を各地域に根付かせ、今日はこれらに加えてハイテク系の新しい産業の生産拠点を形成一方、歴史文化の継承もなされており、情緒豊かな生活を享受して今日に至っている。
     新市は、歴史的にみても、現在の圏域構造からみても、丹南広域圏の中核都市としての役割を果すべき位置にあり、圏域内の多様な各地・各エリアとのネットワークを強化しながら、圏域発展を牽引していくことが求められている。

 

  • 越前ブランド形成の拠点としての役割が期待される新市
     地域のアイデンティティ(誇りにできる独自性)に着目すると、「越の都」として栄え育んできた伝統文化を「越前ブランド」として守り育てていくことがきわめて重要であることに気づく。 
     この「越前ブランド」を具現化している各地域の文化、地場の産業等は、類まれなる特色を有するものであり、西から山地部、内陸平野部、海岸部へと連なる東西軸を「越前ブランド形成軸」として位置づけることができる。そのネットワークの拠点を武生が担い、周辺の多彩な各地と連携して、越前ブランドの醸成を図るとともに、情報発信を強めていくことが求められる。(図―1参照)

図−1.丹南広域圏における連携イメージと新市の果たすべき役割

【図ー1を拡大】

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(2)新市の目指すべき都市
 新市の目指すべき都市像は、武生及び今立のこれまでの都市形成の歴史を踏まえ、当地域がどのような発展過程を経て今日の姿になってきたのか、そして今どのような動向になっていて今後どのようになろうとしているのかを、踏まえることが重要である。

 

 1)これまでの都市構造
  • 旧城下町エリアから西部方面への拡大
    武生・今立圏域の都市構造の動向をみると、武生の人口の増大等に対応して、諸機能が旧市街地から西部の旧国道8号沿道に分散的に立地するとともに、住宅市街地の郊外へのスプロール的な拡大が進んでいる。これが第1ラウンドの特徴的な動向である。

 

  • 日野川東部方面への一部機能の立地と市街地の拡大
    現在は、この市街地拡大の動きの第2ラウンドを迎えており、日野川を越えて東部方面に諸機能が分散的に立地するとともに住宅市街地も拡大しつつあり、このような動向が今後も続くと、今立の市街地との関係がこれまでよりは近いものに感じられるようになっていくと思われる。

 

  • 日野川東部方面に広域交通軸の形成
    日野川東部方面には、国道8号が通り、北陸自動車道の武生インターチェンジが設置され、さらには北陸新幹線と新駅(仮称南越駅)設置が計画されており、このような動向からみると、東部方面は南北方向に広域交通軸が形成され、この軸沿線が広域的な機能にとって好立地条件を備えつつあると言える。

 

 2)これからの都市構造のあり方

  • 「スプロール拡大型」から「クラスター型」へ
    これまでの市街地は、旧来からの市街地を中心にして周辺部にスプロール的に拡張してきたが、今後は人口の増加もそれ程見込めないことや、圏域全体のバランスのよい発展を考慮して、コンパクト・シティにつなげていく「クラスター型(分散拠点連携型)」の都市構造を指向すべきと考える。

 

  • 多核ネットワーク型の圏域づくりを
    圏域内の都市核や諸機能が「クラスター型」に展開した場合、それらをうまく連結していくことが必要となる。これをうまくやらないと、これまでのスプロール市街化となんら変わらない、ばらばらな市街地形成が危惧されるからである。そこでこれを避けるため、交通・情報ネットワークの強化を図り、「多核連携型」の圏域形成を指向していくことが望まれる。

 

  • 求められる田園の保全と適切な土地利用誘導
    「クラスター型」の都市構造を実現するためには、交通・情報ネットワークなどのハード整備だけでなく、都市核以外の地域で、農地について、水源涵養機能や環境保全機能等にも着目しながら保全を行ったり、都市核及びその周辺において適切な土地利用誘導を図るなど、「ソフト」の施策対応を行う必要がある。
    その対応を怠ると、都市核周辺でますますスプロール的な市街化が進展し、結果的に都市核の機能の低下を引き起こす危険性が高い。

 

 3)目指すべき都市像

  • 武生と今立各地区の連携による越前ブランドの中核エリアを形成
    (図−2参照)
     新市は、地区区分すると、「西部田園エリア」「西部市街地」「中心市街地」「東部市街地」「今立・味真野エリア」の各地区が、東西方向に横並びの形に連なる。
     これらの各地区は、これまでの発展過程の中で、それぞれに特有の特色と位置を占めている。今後も、下記に示すように、これらの各地区が相互に連携し、丹南広域圏の越前ブランド化を牽引する中心的なエリアの形成を図っていくべきである。
 
 
  • 「西部田園エリア」― 豊かな自然と田園環境を生かした都市農村交流拠点
     ・武生市街地の西部に広がる自然環境豊かな田園地帯であり、その環境を生かして交流活動が盛んに行われている。今後とも、食料供給地帯としての役割とともに、都市農村交流拠点としての役割を果たす。
  • 「西部市街地地区」― 地域生活サービス拠点、行政サービス機能集積拠点、ハイテク産業拠点
     ・中心市街地の西部に拡大した住宅市街地が形成され、郊外型ショッピングセンターをはじめとする各種生活サービス機能が集積している。また、旧国道8号沿道には、中心市街地内に立地していた国や県の出先機関等が集積している。これらの地域特性を踏まえて、今後とも地域生活サービス拠点としての役割を果たす。
  • 「中心市街地地区」― 越前文化の中心拠点、市民生活サービス拠点、まちなか観光拠点
     ・歴史的に武生の中心をなし、今後も越前文化の中心地区として、新市及び丹南広域圏のアイデンティティの拠点をなす。また、蓄積された歴史文化や伝統産業等の資源を生かしたまちなか観光拠点としての役割を果たす。
  • 「東部市街地地区」― 広域産業振興拠点、行政・地域生活サービス拠点、広域交通拠点
     ・サンドームや商工会議所等を中心に産業振興拠点としての役割を果たすとともに、新しく整備される新庁舎を中心にして地域生活サービス拠点としての役割を果たす。また、北陸自動車道に加えて北陸新幹線が整備されることになると、広域交通拠点としての役割が強化されることになる。
  • 「今立・味真野地区」― 歴史と文化、伝統産業拠点、地域生活サービス拠点
     ・古くからの歴史文化を保全するとともに伝統産業を発展させて越前ブランド形成を牽引する拠点としての役割を果たす。また、併せて地域生活サービス拠点としての役割を果たす
 
 
  • クラスター型に展開する多核連携型都市構造の形成(図−3参照)
     新市の都市構造の具体的な形は、複数の拠点をクラスター型(分散拠点型)に配置し、それらを交通・情報通信網等で有機的に連携し、「多核連携型の都市構造」の形成を図っていくことが望まれる。

図−2.武生と今立各地区の連携による多核的なエリアの形成

【図ー2を拡大】


図−3.新市の目指すべき都市構造のイメージ図
クラスター型(分散拠点型)に展開する多核連携型の都市構造の形成

【図ー3を拡大】

 

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  ◆2.新庁舎立地地区周辺のまちづくり
 

(1)新庁舎の配置に係る基本方針

  • 新庁舎は東部方面の国道8号沿いを基本とする
     現庁舎が老朽化等により建替えが必要なことから、武生市・今立町合併協議会においては、新市の事務所(新市庁舎)の位置については、「(日野川東部にある)国道8号沿いで考える。」「新庁舎の建設時期は、合併後5年を目処とする。」という基本方針が確認されている。
 
 

(2)新庁舎立地地区周辺の特性

  • 広域的な交通軸と交通結節拠点
     新庁舎の立地が予定されている地区は、先にも述べたとおり南北の広域幹線道路である国道8号により福井方面及び敦賀方面と結ばれている他、北陸自動車道武生インターチェンジが位置しており、金沢・富山方面及び大阪・名古屋方面と結ばれるなど、広域的な交通軸の交通結節拠点に位置している。
     また、北陸新幹線・南越駅(仮称)の整備計画もあり、これが実現した場合、その拠点性はさらに高まると考えられる。
      国道8号沿道には、すでに鯖江市と接する場所にサンドームが、また現在整備が進められている東西軸の都市計画道路戸谷・片屋線との交差部周辺に武生商工会議所が既に立地しているなど、沿道利用施設以外にも様々の施設立地がみられる。
  • 広大な田園地帯との共存
     国道8号沿道は、市街化が進みつつあるとはいえ、全体としては田園地帯であり、広大な農地が全域的に広がっている。これらのうち、国道8号の東側と南部方面は、「農業振興地域の農用地」に指定されている。
     地区内で農用地指定から大きい面積で外れているのは、国道8号沿道の北部の西側である。

 

(3)新庁舎立地地区周辺の基本的な方向づけ

  • 丹南広域圏の中で広域的な役割を果たす新クラスターの形成
     新庁舎立地地区は、丹南広域圏の中で広域的な役割を果たす「新しいクラスター群」を形成することが望まれる。南北に長い国道8号沿道地区には、3カ所の拠点地区を想定することができ、そのいずれかに新庁舎の立地する拠点地区を形成するのが都市構造上好ましいが、それぞれについては異なった条件がある。
  • 3拠点の比較検討(表―1、図−4参照)
     新庁舎立地地区の候補地は、拠点A、B、Cの3地区に想定することができる。それぞれの拠点地区は、新庁舎立地を考えた場合、各々長短を有しているが、総合的に判断して「拠点A」が比較的優位な条件を備えている。

図−4.新市庁舎立地地区周辺のまちづくり方針検討図

【図ー4を拡大】


表−1.新市庁舎立地に関わる3拠点地区の比較

  長 所 短 所 評価の視点
拠点A

商工
会議所

サン
ドーム

・商工会議所やサンドームが立地し、拠点が生まれつつある。

・国道8号西側は広大な農地が広がっており、都市基盤整備や良好な市街地形成の可能性がある。

・農地は、農用地指定が行われていないため、開発行為は可能だが、スプロ−ル的な市街化の恐れがある。都市基盤整備や土地利用規制等、早期の対応が必要である。

・北端部は、東西幹線道路軸か ら外れため、武生や今立の中心部とのアクセスにやや難点がある。

・工場や変電所があり、下水処理場の建設も予定されているため、環境改善策を要する。

・開発可能地が大きく、都市基盤整備を行うことにより、良好な環境の市街地形成が可能である。

・そうして整備される新街区の一角に新庁舎が整備され、周辺に緑豊かな環境の市街地や公園・緑地等が整備されれば、魅力的な街区が形成される。

・3つの拠点の中では優位な条件を備えている。

拠点B

豊線
交差点
付近

・武生の中心市街地と今立とを結ぶ東西軸上にあって、市域の新しい拠点として機能しやすい。

・周辺にスプロール的な市街化がみられ、良好な環境の市庁舎立地地区の形成は困難になりつつある。

・農地は、農用地指定が行われていないため、開発行為は可能だが、スプロ−ル的な市街化の恐れもある。都市基盤整備や土地利用規制等、早期の対応が必要である。

・(都)豊線や国道8号沿道から少し内側でないと用地の確保が難しくなりつつあり、新しい拠点市街地を計画的に整備することが難しくなりつつある。

拠点C

仮称
南越駅
予定地
付近

・北陸自動車道武生IC周辺に広がる田園地帯で、北陸新幹線の新駅(仮称南越駅)の立地が予定されている。

・地区一体は田園地帯で、農 地の大半は「農振興農用地」として保全されている。

・北陸新幹線の整備がまだ不確実であり、現状では市街化の目処が立っていない。

・新庁舎の整備時期とタイミングが合わない。

・新庁舎の整備時期と新幹線の整備時期とが合わないため、今後5年程度の間に新庁舎の立地地区として整備するには無理がある。

 

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(4)新庁舎立地地区周辺のまちづくり

 1)都市基盤整備と適切な都市機能の誘致による良好な市街地の形成
 
 

 豊かな自然と田園環境を生かした都市新庁舎は、国道沿道に単独でポツンと立地させるのは望ましくない。少なくとも、関連する施設の近くに立地させてそれと連携させ、さらに隣接地に多少の関連施設を立地させることが望まれる。
 したがって、そのための受け入れ余地を含めた新庁舎立地地区を整備していく必要があるが、放置しておくとこの地区周辺も無秩序に市街地が形成されることは避けなければならない。
 このため、都市基盤整備と適切な都市機能の誘致を図って、良好な市街地の形成を促進していく必要がある。

 新庁舎の立地地区は、良好な環境を形成していく必要がある。
 新庁舎の隣接地に緑豊かな市民交流広場や公園・緑地等を配置し、緑に囲まれた環境と共生する庁舎立地地区が形成されるよう、特別の配慮と工夫が必要である。

 
 
 2)周辺地区における良好な環境の市街地の形成と田園環境の保全
 
 

 新庁舎立地地区周辺についても、緑豊かで良好な環境の市街地が形成されることが望まれる。このため、都市基盤の整備が行われた地区内において、地区計画の指定や建築協定の締結、景観誘導のための特別の対策等を講じていくことが望まれる。
 また、さらにその周辺に広がっている田園地帯については、生産緑地指定や、市民農園の整備を促進したりしながら、極力保全に努めていくことが望まれる。

 
 
 3)これからの庁舎
 
 

 これからの庁舎機能は、これまでの市民と行政の関係や市民サービスのあり方などとは異なるかたちのものを目標にしていくべきで、従来からある様なシンボリックな市庁舎のあり方を見直して、市民に親しみやすいものとすべきである。

 
 

 

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  ◆3.中心市街地のまちづくり
  (1)中心市街地の特性
  • 歴史的な文化・産業の集積拠点
      中心市街地は、古くは「越の国」の中心として発展し、その後も広域的中心地区として重層的な歴史を積み重ね、武生ばかりでなく丹南広域圏の中心的な役割を果たしてきたことは既に述べたとおりである。中心市街地には現在も、武生を象徴する歴史、文化資源が豊富に集積するとともに、伝統産業の生産、販売拠点が多数立地して、越前文化の中核を成している。また、そのような環境の中で「たけふ菊人形」が毎年持続的に開催され、まちなか博物館や「いわさきちひろ美術館」づくり等が進められている。

     

  • 市域で人口が最も多く、都市的サービス機能が集積する地区
     現庁舎が立地する武生市の中心市街地である中央地域は、現在も9千世帯、26千人が居住し市域で最も人口の多い地域である。このため、武生ばかりでなく丹南広域圏の都市的サービス拠点としての役割も果たしており、行政、商業・業務機能等の各種サービス機能を集積させている。
    しかし、近年、全国的な中心市街地の傾向と同じく、人口が減少傾向にあり、少子高齢化が
    進行している。

     

  • 丹南広域圏の文化・産業・交流の中心拠点
     このように、当地区はまさに丹南広域圏の文化・産業・交流の中心拠点としての役割を長きにわたって果たしてきたところであり、地域アイデンティティの中核を成しており、それらの保全、再生を図って、新市のアイデンティティを全国に発信して行かねばならない。

 

(2)中心市街地の基本的な方向づけ
  • 住んでよし、働いてよし、訪れてよしの地区再生
     合併による都市構造の変化、新庁舎の整備等により、中心市街地の都市機能の再構成が求められていること、また国の都市政策も転換しつつあること等を踏まえて、将来も新市のにぎわいと活力の中心として機能する「住んでよし 働いてよし 訪れてよし」の地区再生を目指す必要がある。街は人が住み、人が働き、地域コミュニティが持続されて、歴史的環境が保持される。また、多くの人々が訪れて地域の人たちにホスピタリティ(もてなしの意識)が根付いてはじめて都市観光のまちとしての資質が備わるのである。

 

  • 歴史文化と匠の技に裏打ちされた「まちなか観光拠点・歴史と商い、にぎわいゾーン」の形成
     中心市街地の持つ固有の歴史文化、伝統産業等を最大限に活用し、それに裏打ちされた「まちなか観光拠点」の形成が必要である。
    特に、伝統産業や古きよき時代の町並み等を、単に保存するのではなく、観光商業財として位置づけ、伝統産業の産物や街そのものの再生・蘇生を積極的に進めながら、中心市街地活性化を促進する。
     中心市街地の中核的な位置を占める現庁舎周辺地区は、中心市街地活性化を牽引する拠点地区として位置づけ、それにふさわしい拠点機能の整備を図らねばならない

 

(3)中心市街地のまちづくり
 1)中心市街地全域のまちづくりの方向性 
  • 安心・安全の、住みごこちのよいまちなか住まいの創出
     中心市街地は、人が住んでこそ中心性が保たれることから、人口の転出に歯止めをかけつつ定住人口の増大を図る、次のような施策の展開が必要である。
      ○若者が定住したいと思う魅力づくり
      ○高齢者が安心・安全に暮らせるまちの環境整備
      ○そのためのまちなか住まいの魅力づくり
      ○町家を活用した若者の活動の場づくり 等

 

  • 歴史的な町並みを基本ベースとしたうるおいのある美しいまちの創出
      旧来からの地区を中心に、住む人も訪れる人も魅力を感じやすらぎを覚えるうるおいのある美しいまちを創出していくため、次のような施策の展開が必要である。
      ○町の表玄関としての駅前景観づくり
      ○町家の再生、活用のシステムづくり
      ○伝統的な町並みや蔵の修景等の美しい景観づくり 等

 

  • 風格のある町並み等を背景に、越前ブランドの技と商いの技が融合する歴史と文化産業の創出
     中心市街地には、働く場が必要である。また、単に働くだけではなく越前ブランドを創出する拠点としての役割を強化していくことが、中心市街地に科せられたきわめて重要な役割であることから、次のような施策の展開が求められる。
      ○越前ブランドの情報発信拠点
      ○伝統産業育成の学びの場づくり
      ○伝統産業を活かした新しい産業創出、起業家支援
      ○歴史・文化、伝統工芸、町並み等の情報発信拠点
      ○マルチメディア情報基盤の整備(丹南テレトピア) 等 

 

  • 古き良きモノやコト・ひと・情報が交流するにぎわいの創出
     中心市街地を「まちなか観光」の拠点にしていくには、丹南広域圏外の大都市地域住民等が訪問して、そぞろ歩いて楽しく、歴史文化に触れて心豊かになるための環境整備が必要である。このため次のような施策の展開が求められる。
      ○歩いて楽しいまちづくり
      ○魅力ある、個性的な店舗づくり
      ○製造販売一体型職人工房の整備
      ○市民活動を支援するシステムと拠点づくり 等

 

 2)現庁舎および周辺地区のまちづくり

     現庁舎及び隣接敷地等は、中心市街地の再生・蘇生による活性化、とりわけ「まちなか再生」を牽引するコアゾーンとして位置づけ、それに関連する中核的な施設群を集積させるとともに、周辺地区にも関連する施設群を順次整備し、「蔵の辻」や「タンス町」「寺町」等との連係を図っていくべきである。(図―5参照)
  • 現庁舎及び隣接地区に求められる機能
     「まちなか再生」を推進していくコアゾーンとして、次のような施設群を集積させることが望まれるが、どのような形で現実化するかについての仕組みづくりをまず検討する必要がある。とくに、これからの市の財政事情などを配慮して、いたずらに過大な公的施設を考慮すべきはない。
 
 

○越前ブランドを活かす「まちなか観光」拠点機能
  ・まちなか観光情報館
  ・越前ブランドPR館
   −越前ブランド展示・販売、アンテナショップ
   −伝統工芸体験コーナー等

○越前ブランド創造・人材育成機能
  ・越前ブランド・デザインセンター
  ・伝統工芸技術者育成施設
  ・伝統工芸産業情報交流センター等

○市民生活・市民活動支援機能
  ・行政サービス施設
  ・町屋活用情報センター
  ・市民まちづくりセンター
  ・地域福祉支援センター等

○中心市街地の担い手育成機能
  ・町衆育成センター
   −中心市街地内外、場合によっては市街からの参入者も
     含めた人材育成施設

 
 
  • 周辺市街地内に求められる機能
     上記のコアゾーンと連係して、中心市街地全域の活性化を進めていく必要があることから、これまでも進めてきた「蔵の辻」の整備や魅力のある「まちなか博物館」づくり等を発展させて、次のような施設群が順次整備されていくことが期待される。
 
  ○まちなか博物館
   伝統工芸や地域特産物等に関連する商品を製造・展示・
  販売する、
  まちなかに点在する個人経営型博物館
   −越前ブランド産品や工芸品等の個人経営型の展示・販売店
   −まちなかに点在する伝統工芸工房も「まちなか博物館」に
    位置づける。

○町屋活用型の美術館、喫茶・レストラン
   ・町屋を修復・活用した小規模な個人経営型の美術館・
  ギャラリー、工芸館
   ・町屋を修復・活用した喫茶・レストラン、物販店舗等

○町屋工房(SOHO)

○社寺等の歴史遺産の観光資源化等

 
 
  • 「まちなか観光」を基軸とした中心市街地活性化推進組織の整備
     「まちなか観光」を基軸とした活性化策を戦略的に推進していくには、熱い思いを持った牽引集団が組織化され、明確な戦略を立て、周辺の市民や外部の専門家等とネットワークしながら、中長期的な視点のもとに事業を進めていくことが求められる。
     いわゆるプロデューサー集団の組織化と彼らのコーディネートあるいはマネジメントによる関係者群の結集と戦略的な事業展開である。これができるかどうかが、中心市街地活性化の成否を左右するといっても過言ではない。
 
 

○「まちなか観光」推進体制の整備
  ・熱い思いのプロデューサー集団の組織化

○「まちなか観光」推進戦略とアクションプログラムの作成
  ・「まちなか観光」を基軸とした中心市街地活性化推進戦略の作成
  ・アクションプログラムの作成

○事業の段階的・中長期的推進
  ・「まちなか観光」都市化に向けた各種事業の段階的推進

 
 
  • 現庁舎の敷地規模などの条件
     現庁舎は建築後約半世紀を経ており、老朽化が甚だしく、耐震補強もできない戦後建築物と言われている。したがって、新庁舎への移転後は解体せざるをえないものと想定される。隣接する建物などは使用、転用も視野に入れて、まちなか再生拠点とする方策を今後5年間において検討しなければならない。
     また、周辺には公共的建造物もあり、それらを総合的にまちなか再生に役立てる方策も検討されるべきである。さらに、空地になっている民有敷地などもどのようにまちなか再生に活かしていくのか、総合的に検討して対応していくべきである。

図−5.中心市街地の展開イメージ

【図ー5を拡大】

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  ◆終わりに
 

 本提言で示したクラスター型市街地形成と中心市街地再生のいずれも、市民、産業界と行政が一体となって強力なタウン・マネジメントを展開していかないと実現することができない。特に、武生の中心市街地の今後の事業展開、今立の中心地区の今後のまちづくりについては、更に具体的な検討を継続する必要がある。単に個別の事業内容を検討するに止まらず、まち全体を総合的、一体的に誘導、管理するタウン・マネジメントが肝要である。

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